ほとんどの車種には複数の「グレード」が設定されています。この車のグレードとはどのようなもので、何を基準に選べばいいのでしょうか。グレードによる違いや、グレードを表すのによく使われるアルファベットの意味、グレードの選び方などについて説明します。

車のグレードとは

車のグレードとは、同じ車種における装備や性能の違いによる等級を表す用語です。現在ではほとんどの車種に複数のグレードが用意されています。車名は同じでも、グレードが違えば装備の充実度や性能の高さが異なります。

新車を購入するときは多くの場合、まず車種を選び、次にグレードを決めることになるでしょう。グレードが変わると価格も大きく変わります。またグレードごとに流通台数も増減します。数年後、売却する場合の買取価格も違ってくるので、グレードについてはしっかりと把握しておくべきです。特定の車のグレードを調べたいときは、「車台番号」をメーカーのサイトにあるグレード検索サービスに入力すれば正確な情報を得られます。

グレードによって何が変わる？

以前は、グレードによって変わるのはエンジンタイプや足回りといった走行性能に関わるものがほとんどでした。しかし現在では、グレードによって変わる範囲は多岐にわたります。駆動方式や排気量のほか、オプションで選択できる装備が異なることもあります。またエアロパーツ、ホイール、ライトなどの外観、シート、ハンドル、インパネ＆コンソール加飾などの内装も変わります。

グレードが上位になると走行性能の向上や、装備の充実度も増していきます。また外観・内装とも選べるカラーが多くなり、内装は素材や仕上げ方が上等なものに変わるというケースもよく見られます。

さらに、常時用意されているグレードに加えて「特別仕様車」と呼ばれるモデルが期間限定や台数限定で販売されることもあります。特別仕様車では廉価グレードや標準グレードをベースにして、新色や専用色が選べたり、上級グレードの装備がプラスされたりするのが一般的です。

グレードによく使われるアルファベットについて

車のグレードはしばしばアルファベットで表されます。メーカーによって呼び方は様々なので絶対ではありませんが、よく使われるアルファベットの意味はおおむね次のとおりです。

R
レーシングの意。レースで得た技術を採用したモデル、レース仕様に近い搭載エンジンやセッティングのモデルでよく使用されます。

S
スポーツの意。スポーティーな走りをするモデルでよく使用されます。Rよりはやや洗練されたイメージです。

RS
RとSの組み合わせであり、レーシングスポーツやロードセーリングの意。モータースポーツを意識したモデルでよく使用されます。

GT
グランドツーリングやグランツーリスモの意。スポーツカーの高速性能とセダンの快適性能を併せ持つようなモデルによく使用されます。排気量や出力が大きいエンジンを搭載している傾向が強いのも特徴。

L
ラグジュアリーの意。内装や装備が豪華なモデルでよく使用されます。限定車＝リミテッドの意味で使われることも。

C
コンフォートの意。廉価グレードによく使用されます。

G
ジェネラルの意。一般仕様を意味する言葉ですが、実際には標準～上位グレードによく使用されます。

X
未知または最先端などの意。最先端グレードに使われることがある一方、トヨタでは下位グレードによく使用されます。

車のグレードを選ぶコツ

予算に十分な余裕がある場合、車のグレードは高ければ高いほどいいと言えます。充実した装備、文句のない性能の1台を手に入れられるでしょう。しかし、予算をある程度抑える場合、はたしてその装備や性能が本当に必要なものなのか、よく検討してみるべきです。

車のグレードは、いわばメーカーが様々な装備・性能・仕様をカスタマイズしてパッケージ化したものです。上位のグレードほど豪華な組み合わせになっていますが、その中には自分にとってあまり必要のないものも含まれている可能性があります。他のグレードと比べて何が違うのかを確認して、自分にとって重要なものとそうでないものとを分けて選びましょう。

また、新車で購入する場合はあえて低いグレードを選んで、オプションで必要な装備を選ぶと価格が安くなることがあります。さらに、将来車を売却するときのことも考えて、人気のある色や装備を選んでおくというのも賢いグレードの選び方です。リセールバリューの点から考えてグレードを検討すると、また違う選び方になるかもしれません。いろいろな組み合わせを考えて自分にマッチした選択をしましょう。

 
車種を選ぶことに次いで大事なのが、どのグレードにするかという問題です。車のグレードを選ぶときはぜひ上記を参考にしてみてください。