• このエントリーをはてなブックマークに追加
asv-safety-features-explained

近年、自動車の自動運転など先進技術の開発が活発化する中、その存在感と重要性を増しているのが先進安全自動車(ASV)の考え方です。ASVの技術はすでにかなり開発が進んでいますが、一般的にはあまり知られていない内容も多いことが事実です。

この記事では、ASVの基本概念と、ASVを推進する活動、さらにはASVの魅力について解説します。

先進安全自動車(ASV)の基本概念

ASVとは、Advanced Safety Vehicleの略称で、さまざまな先端技術を用いることで自動車そのものがドライバーの運転を支援するというプロジェクト、また、そうした機能を持つ車両そのもののことを指します。ここではASVの基本的な概念を解説します。

ASVの定義と目的

先進安全自動車(ASV)は、先進技術を用いてドライバーの安全運転を支援するシステムを搭載した自動車です。ASVにおける技術は、運転中の認知、判断、操作を支援し、交通事故の減少に貢献することを目的としています。また、各運転者の安全性を高めるだけでなく、全体的な交通環境の安全性を向上させることにも重点を置いています。

ASV推進計画とは?

ASV推進計画は、ASVに関連する技術の開発、実用化、普及を促進するプロジェクトで、平成3年にスタートしました。この計画は、関係省庁、自動車・二輪車メーカー、学識経験者などが参加するASV推進検討会によって進められています。これらの取り組みはASV技術の進歩に大きな影響を与え、将来的には自動車業界における安全性の基準を大きく変える可能性があります。

ASVが提供する安全機能

ASVが提供する機能には、主にドライバーをサポートするものと、事故防止を目的とするものがあります。ここでは主要な機能をいくつか紹介します。

認知・判断・操作をサポートするシステム

ASVは、ドライバーの認知、判断、操作をサポートし、安全を支援するシステムを搭載しています。例えば、衝突被害軽減ブレーキは、追突事故の危険を検知した際に、ドライバーに警告を発し、必要に応じて自動ブレーキを作動させることで、事故の回避または被害を軽減します。

事故防止に貢献する機能

事故防止のための具体的な機能としては、ペダル踏み間違い時加速抑制装置があります。これは、ドライバーが誤ってアクセルペダルを踏んだ際、エンジンの出力を抑制し、急発進を防ぐ装置です。また、車間距離制御装置(ACC)は、前方の車との安全な距離を自動で保持し、ドライバーの疲労軽減や安全な車間距離の確保に寄与します。

ASVの実用性と効果

ASVを採用することで実際にはどのような効果があるのか、具体的なデータを確認していきます。

asv-safety-features-explained

実際の事故率の低下

 ASV搭載車両の事故率の低下は顕著です。例えば、サポカーS(ワイド)として知られるASV搭載車は、衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い急発進抑制装置などの機能を持っています。「高齢運転者交通事故防止対策に関する調査研究」調査研究報告書 令和2年3月(警察庁)によると、平成29年5月から30年12月のデータにおいて、サポカーS(ワイド)搭載車両の登録台数10万台当たりの第1当事者人身事故件数は、普通乗用車及び軽乗用車全体と比較して41.6%少ないことが分かりました。これはASV技術が実際に事故率を低下させる効果があることを示しています。

ASVの今後の展望

自動車事故ゼロを目指して、ASVのさらなる技術開発や普及は必須の課題となっています。今後のASVの展望と課題について見ていきましょう。

技術の進化と普及

ASV(先進安全自動車)の技術は、今後さらに進化、普及していくことが期待されています。

過去には自家用車に対してサポカー補助金がありましたが、2021年11月に受付を終了。本記事執筆現在は、事業用自動車のASV装置購入に対して「先進安全自動車(ASV)の導入に対する支援)」という補助金が実施されています(申請受付期間:令和6年1月31日まで)。このように、時期によって内容は異なりますが、ASV普及促進のための支援策が都度実施されています。

後述しますが自動運転レベル4の解禁などもある中、自動運転の技術開発も今後さらに望まれることになるでしょう。

法的な制度と課題

自動運転技術の進化に伴い、多くの法的な課題が浮上しています。完全自動運転の実用化には、既存の法制度の改革が必要です。自動運転技術は事故を減らすことができますが、事故を完全にゼロにすることは不可能であるため、事故発生時の法的責任の所在をどうするかといった点も難しい問題です。

自動運転車のレベルによって技術的および法的な課題が異なり、特に自動運転システムが全ての運転タスクを実施するレベル3以上の自動運転車には、道路交通法規の順守と同時に、さまざまなイレギュラーな交通状況に応じた柔軟な対応が求められます。

改正道路交通法の施行に伴い、自動運転レベル3(条件付自動運転)の自動車は2020年4月に、自動運転レベル4(特定条件下での完全自動運転)は2023年4月に解禁されています。今後普及が進めば、さらなる法的な課題も出てくるかもしれません。そしてやがては自動運転レベル5の解禁に向けての整備も進んでいくでしょう。

asv-safety-features-explained

まとめ – ASVについてのまとめ

ASVの進化と普及は、自動車業界における安全性の向上と効率化に大きく寄与しています。しかし技術の進化に伴い、法的な課題も発生しています。自動運転の未来に向けて、これらの課題への対応が、今後の自動車産業の発展において重要な役割を果たすでしょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

中古車買取・販売は
ラビットにおまかせください!

無料で価格を知ろう

カンタン査定

無料で価格を知ろうカンタン査定

欲しいクルマをかんたん検索

クルマを買いたい

欲しいクルマをかんたん検索クルマを探す