初心者マークの義務期間はいつまで? 違反した場合の罰則はある?
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免許を取って公道を走ることになったら、必ず用意しなくてはならないのが「初心者マーク」です。初心者マークは道路交通法に基づく標識の一つであり、免許取得してから一定期間、必ず車の所定の位置につけておくことが義務づけられています。その義務期間はいつまでなのか、違反するとどんな罰則があるのかなど、初心者マークに関する基礎知識をまとめてご紹介します。
初心者マークをつける義務期間はいつまで?
初心者マーク、正式には「初心運転者標識」は、普通自動車免許を取得してから通算で1年間、表示する義務があります。
このことは道路交通法(第71条の5)で、「普通自動車免許を取得して通算して1年に達しない者は、内閣府令で定める様式の標識を付けないで普通自動車を運転してはならない」と定められています。
ただし、「免許の効力が停止されていた期間」は1年間のうちにカウントされません。免停を受けた場合はその期間分、初心者マークをつける期間が延長されることになります。
たとえば、ある年の1月1日に免許を取得したとすると、同じ年の12月31日までは初心者マークを付ける義務期間となります。このケースで、もし免許取得後1年以内に「免停30日間」の処分を受けたとすると、初心者マークをつける義務期間は翌年の1月30日まで延長されます。免停期間は最短で30日間から最長で180日間までで、どの程度の免停処分を受けても、同様に初心者マークをつける義務期間が免停期間の分、延長されます。
違反した場合の罰則はある?
免許を取得して1年以内にもかかわらず、初心者マークをつけなかった場合は道路交通法の「初心運転者表示義務違反」となり、反則金4,000円、加算1点の行政処分を受けます。※行政処分点数はイメージとして減点と表されますが、正しくは加点(累積)されるものです。
また、初心者マークに関わる罰則はこれだけではありません。道路交通法(第71条5の4)には、周囲の車が初心者マークをつけた車に幅寄せをした、または無理な割り込みをした場合「初心運転者等保護義務違反」となることが記載されています。この場合、幅寄せや割り込みをした側の車が大型車(中型車を含む)は7,000円、普通車・二輪車は6,000円、小型特殊は5,000円の反則金と、それぞれ加算1点の行政処分が科せられます。
初心者マークをつけていないと、どんなときにばれる?
初心者マークをつける義務期間であるにも関わらずつけていない場合、警察に見つかって罰則を受ける可能性のあるケースとしては、以下のような状況が考えられます。
事故が発生した場合
自分自身が事故を起こしたり、あるいは事故に巻き込まれたりした際などは警察が関わるので必ずばれてしまいます。
検問があった場合
検問では免許証の確認があり、初心者マークをつけていないとやはりばれてしまいます。
不安定で未熟な運転をしている場合
巡回の警察官から見て、不安定な運転をしていると、呼び止められて免許を確認される可能性があります。その場合もばれてしまうでしょう。
見た目を気にして初心者マークをつけたくないと考える人もいますが、いつ、どんなことでばれるとも限りません。法律で定められている期間はきちんとマークをつけましょう。
初心者マークは1年以上つけることが可能?
では、免許取得から1年以上経っていた場合、いつまでも初心者マークをつけていても良いのでしょうか。実はこのことについては道路交通法に特に記載はありません。反則金や行政処分点数も設定されていないので、基本的にいつまででも初心者マークをつけていて問題はありません。
そのため、免許取得から1年以上経っているけれどもまだ運転に自信がないという場合や、運転する機会が多くないペーパードライバーは初心者マークをつけておいたほうが安心です。初心者マークをつけていれば、周囲のドライバーに配慮してもらえるため。運転のしやすさが違ってくるはずです。
ただし、残念ながら初心者マークをつけていることで、故意の幅寄せ、割り込み、あおり運転などの嫌がらせの被害に遭う可能性もありますので、いつまでも初心者マークをつけていることは、ポジティブな面ばかりとも言えません。決められている期間が過ぎ、運転技術もある程度安定してきたら、初心者マークは外すようにしましょう。
初心者マークをつける位置・場所は?
初心者マークはつける位置・場所が決まっています。まず車の前面・後面の両方につけること、そして「地上0.4m以上1.2m以下の見えやすい位置」に表示すること、という決まりがあります。違反すると反則金4,000円、違反加算1点となります。
上記の条件を満たしていれば、車の右側、左側のどちらにつけてもかまいません。ただし、フロントガラスにつけるのはNGです。フロントガラスに貼れるのは車検の有効期限を記した検査標章シールや法定点検のステッカーなどと決められています。
そのこともあって初心者マークは、前はボンネット、後ろはリアウインドウの下につけるのが一般的です。また、初心者マークを2枚以上使用することも可能です。ただ、ベタベタと複数枚つけてもあまり意味はないでしょう。
なお、初心者マークはカー用品店やホームセンターで販売されています。また最近は100円ショップでも売っていることがあります。マグネット式、ステッカー式、吸盤式などがありますが、最もよく見かけるのはマグネット式でしょう。
初心者マークに関するトラブル例や注意点
初心者マークを使用するユーザーから寄せられる、よくあるトラブル例や注意点をまとめました。初心者マークは1年間という長期に渡って使う必要がありますので、思わぬトラブルに発展しないように、ポイントをきちんと押さえておきましょう。
初心者マークで日焼けが? 付けっぱなしの問題点
マグネット式、シール式など、いずれの方法で初心者マークをつけるにしても、長期間に渡って車のボディに貼りっぱなしにしていると、「日焼けのあと」が残ることがあります。人間がサングラスをしたまま日焼けをすると、目の周りだけ白く残ってしまうのと同じ状況です。
また、マグネットゴムは、熱で溶けて固まり取れなくなることもあります。そのため、初心者マークは、「運転するときだけつける」ことがおすすめです。ただし、つけ忘れがないように、目に付きやすい場所に保管するようにしてください。
初心者マークが付かない車がある? 対処法は?
最近は、トヨタのプリウス、ダイハツのタントのように、アルミ製や樹脂製ボンネット等を使用しているために、マグネット式の初心者マークが使えない車種が出てきました。
この場合は、シール式や窓の内側からつける吸盤式が便利です。ただし、前述のように、貼りっぱなしにすると日焼けしてしまう可能性があるため、マグネットほど脱着が簡単ではありませんが、こまめに付け外しすることをおすすめします。
なお、吸盤式の初心者マークは、リアウインドウにはつけられますが、フロントウインドウにつけることは違反になりますので注意してください。
その他のマークについても知っておこう
初心者マーク以外の運転者標識には次のようなものがあります。
高齢者運転者マーク
いわゆる「もみじマーク」ですが、2011年にデザインがリニューアルされて「四つ葉マーク」とも呼ばれています。70歳以上の免許所持者がつけるマークですが、道路交通法では表示について努力義務と記されています。そのためつけていなくても罰則はなく、表示するかどうかはドライバーに任されています。
身体障害者マーク
こちらも「四つ葉マーク」と呼ばれるほか、「クローバーマーク」という通称も使われます。肢体不自由であることを理由に、運転免許に条件が付いている人が表示するマークです。表示については努力義務とされています。
聴覚障害者マーク
聴覚に障害があることを理由に運転免許に条件を付されている人が表示するマークです。聴覚障害者マークは表示することが義務づけられています。
なお、上記3つのマークいずれも、周囲の車が「幅寄せ」や「割り込み」をした場合は道路交通法違反となります。
初心者マークは、周囲を走るドライバーが運転初心者を保護するよう促すためのものであり、そのことによって初心者が安心感を得られるものでもあります。上記を参考に初心者マークについて正しい知識を得ておきましょう。
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