車を売りたいと思った時、ネット上にたくさんある一括査定サイトを利用しようと考える人は多いでしょう。しかし、一括査定サイトに登録すると、しつこい電話に悩まされるという話がよく話題に上ります。実際のところ、一括査定サイトに登録したらどんな事態が起こるのでしょうか。ここでは、登録して困った時の対処法もご紹介します。

車の一括査定をすると電話がかかってくる理由

一括査定サイトに登録する際にはほとんどの場合、車種や年式だけでなく、氏名や電話番号などの個人情報を入力しなければなりません。入力された電話番号等は、一括査定サイトから速やかに買取店に通知されます。他社との競争に勝ってお車を1台でも多く買取るためには、他社と契約する前に査定依頼者とコンタクトを取らなければなりません。そのため、登録者の個人情報を獲得した買取店は、特に自社が欲しい車であれば、他社よりいち早く査定の約束をしようと躍起になるのです。

買取店は一括査定サイトに登録料を払って情報を提供してもらっているため、かけたコストを回収するために必死に電話するのは当然と言えるでしょう。最初にコンタクトを取れた買取店が買い取りにこぎつけやすいという傾向があることも、一刻を争う電話攻勢の理由となっています。一番に電話してきた買取店と話をした査定希望者は、他の買取店と比べる機会がなく、相手の勢いに押されて契約まで誘導されてしまうことも多いようです。また、何件も買い取り申し込みの電話がかかってくると次第にわずらわしさを感じるようになり、面倒だから最初の買取店に決めてしまおうという心理も働くと言われています。

車の一括査定の申し込みから査定までの流れ

車の一括査定は、以下のような流れで行います。

ステップ1：申し込み

一括査定サイトに用意されている入力フォームで、車種名やグレード、年式、氏名や電話番号などの情報を入れて申し込みます。

ステップ2：買取店から電話連絡が入る

申し込み後、複数の買取店から電話連絡が入るので、査定を依頼したい買取店とは、日時を調整して査定を依頼します。この時点で多数の電話がかかってくることになります。電話をストップしたい場合は、一括査定サイトや各買取店にキャンセルしたい旨を伝えます。査定のキャンセル方法について、詳しくは以降の見出しで解説します。

ステップ3：買取店による出張査定と契約

買取店による出張査定が実施され、買取金額が提示されます。金額に納得できたら契約締結へと進みます。契約前であれば、基本的にキャンセル料金は発生しません。

電話がかかってくる頻度

一括査定サイトへの申し込み後は、具体的にどれくらいの頻度で電話がかかってくるのでしょうか。電話がかかってくる時間や頻度、連絡が多くなる理由を解説します。

登録から電話がかかってくるまでの時間や頻度

個人情報を入力するとほとんどの場合、その日のうちに買取店から電話がかかってきます。早いケースでは、一括査定サイトに登録後、10秒ほどで勧誘の電話が鳴ったという事例さえあります。その後、間を置かずに次々と他社からも着信があり、1つの買取店と電話で話しているうちにキャッチホンが続けさまに何件も入ることも珍しくありません。1件目の電話を終えて数分席を外し、戻ってきて電話を見たら20件以上の不在着信の記録が残っていたという実例も報告されています。

21時以降朝8時までの勧誘電話は法律で禁止されているものの、それ以外はどの時間帯でもかかってくると言っても過言ではありません。一度かけて不在だと、1つの会社が時間帯を変えて何回もかけてきます。電話を無視していれば、その後何日間にもわたって複数の買取店から着信が続くでしょう。

連絡が多くなる理由

前述したように、買取店は一括査定サイトに登録料を支払っているのでコストを回収するため、1件でも多く契約成立を目指すことから電話を一度かけて不在というだけでは決して諦めません。他社に買い取りされてしまったなど断念を余儀なくされるまでは、説得を続けるつもりでしつこく電話勧誘をしてきます。電話で実車の査定をするアポイントメントさえ取れれば、車のオーナーと直接顔を合わせて交渉できるので、契約まで繋げられる確率が高まるからです。

このように、不在着信が続いても登録から数日間は繰り返し電話が鳴りやまず、他社と契約が決まってもその旨を通知して査定依頼をキャンセルしない限り、様々な買取店から電話がかかってくると考えておきましょう。

電話の回数が多い時の対処法

もしも一括査定サイトに登録して「電話の回数が多すぎる」と感じたら、以下の方法で対処すると良いでしょう。たくさんの電話がかかってきてお困りのときは、ぜひ参考にしてみてください。

キャンセル機能を使用する

一括査定サイトには、キャンセル機能が備わったものもあります。査定依頼をキャンセルするアイコンをクリックすれば、登録している買取店に一斉に配信されるので、それ以降勧誘の電話がかかってくることはないでしょう。不安な場合は、一括査定サイトを選ぶ際にキャンセル機能が付いているか確認してから登録すると安心です。一括査定サイトにキャンセル機能がない場合は、登録店舗に1件ずつ連絡して査定依頼の意志がないことを伝えないと勧誘電話を止めるのは難しいでしょう。

説明することをまとめておく

複数の買取店からかかってくる電話の内容は、どこも似たようなものです。勧誘電話に何回も対応していると同じ質問に繰り返し答えることになり、うんざりしてしまうでしょう。そこで、事前に要件をまとめておき、短時間に効率的な回答ができるように準備しておくと便利です。具体的には、査定の希望日時をはじめとして、希望の販売価格と売却時期について質問されることがほとんどです。

時間の余裕のあるときに申し込みをする

一括査定サイトに登録したら買取店からすぐ電話がかかってくることを想定して、査定申し込みを時間の余裕があるときにするのもおすすめです。例えば、仕事の出勤前に登録したら、通勤時間や勤務中にしつこい電話攻勢を受けることになるため、査定を依頼するのが嫌になってしまいます。かかってきた電話に出られないだけでもストレスになりますから、登録後に少なくとも数時間は電話対応できる時間帯を選びましょう。

むやみに申し込み先を増やすのはNG

勧誘電話の件数を減らしたいなら、一括査定サイトに登録する際に選択業者の数を厳選しましょう。できるだけ多くの買取店の査定を受けた方が高く買い取ってもらえそうな気がするかもしれませんが、むやみに査定業者を増やせば良いというものではありません。お店を選ぶ基準は、店舗へのアクセスや希望買取価格の期待度などがありますが、最も大切なことは契約後から、買取金額の入金までのサポート体制がしっかりしているかどうかという点です。申し込む業者の数を厳選し、サポートが期待できそうな業者を選びましょう。

断り方のポイントや例文

買取店からの電話を断るときは、はっきりとした理由を添えて、車を売却する意思がないことを伝えるのがポイントです。例えば「ほかの買取店と契約した」「車を売却するのをやめた」といった理由を挙げると良いでしょう。なお、断るのが苦手な方は、以下の断り方の例文を参考にしてみてください。

【断り方の例文】

「すでに他の買取店と契約してしまったので契約できません」

「十分に検討した結果、今の車に乗り続けることに決めました」

査定後に買取の即断を促されて、すぐには決められないという場合には、以下のように答えましょう。

「家族と相談してから決めたいので、今日中にお答えすることはできません」

「この後、別の買取店の査定が入っているので、後ほど回答します」

車の一括査定における業者の選び方

電話が多過ぎていくつか断りたいという場合も、そもそもどの業者に査定を依頼するか決まっていなければ、対応に悩んでしまうでしょう。まずは出張査定をお願いする業者を数社に絞り込み、そこから実際に車を売る業者を選ぶ必要があります。ここでは業者の選び方をお伝えします。

実績があって信頼できる業者に絞って査定依頼

査定依頼をする業者を絞り込むときは、まず買取店のWebサイトをチェックして、買取実績や口コミを確認します。車種や年式などの条件が近い買取実績があると、買取価格の目安になります。評価の高い口コミから低い口コミまで見て、安心して取引できそうか判断しましょう。

また、電話対応の担当者の接客態度が適切であるかもチェックしておくようおすすめします。悪質な業者を避けるためにも、申し込み後の電話対応の段階で、誠実で信頼できる印象かを判断することも大切です。

一般的な相場や他社の査定額と比較する

業者を数社に絞り込んで査定を受けた後は、提示された価格を一般的な相場や他社の査定額と比較します。相場を確認したいときは、メーカー・車種・年式などの情報でシミュレーションができるWebサイトや、中古車販売サイトの価格などを参照すると良いでしょう。

また、契約後に柔軟な対応をしてもらえるかも大切なポイントだといえます。例えば、新車に買い替える場合は納車後の引き渡しになるよう時期を調整してもらえるとスムーズです。ほかにも、業者によっては支払日や支払方法の指定に応じてもらえる場合があります。

一括査定サイトに登録する前にきちんと準備しよう

複数社からの査定価格を比較するには、一括査定サイトは便利です。ただし、個人情報を入力しないと登録できないサイトがほとんどで、電話番号を入力するとたちまち複数の買取店から何回も電話がかかってきます。こうした電話攻勢に対抗するため、様々な方法をご紹介してきました。この記事を読んで一括査定を申し込むのが不安だと思った方は、やはりテレビCM等きちんと名の知れている大手買取専門店に直接査定依頼をする方が良いでしょう。