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車内エアコン

「車のエアコンの効きが良くない」「エアコンから出てくる風が弱い」などと感じた経験はありませんか?これらは車のエアコンが故障しているサインかもしれません。

車のエアコンが不調の場合、いくつかの原因が考えられます。今回は、特に冷房が不調になる原因として多いエアコンガスの不足を中心に、エアコンガスの補充方法や交換費用などについて解説します。また、暖房の調子が悪い場合の原因と対策についても最後にご紹介します。

車のエアコンのしくみは? ガスはどう使われる?

まずは、車のエアコンの冷房のしくみについて解説します。車のエアコンでは、ガスが圧力の変化によって周囲の熱を奪う性質を利用して、冷たい空気を出しています。

車のエアコンの内部にはガスが通っている配管があり、途中にさまざまな機器が設置されています。冷房で特に重要な役割を果たしているのが、ガスに圧力をかけて液体にするコンプレッサーという機器です。

いったん高圧で液状になったガスは、いくつかの機器を通過したあと、エキスパンションバルブという機器で噴霧され、圧力と温度が大きく下がります。この低温のガスがエバポレーターという機器に送られ、ファンから出る風によって車内に冷たい空気が送られます。

その後、ガスが再びコンプレッサーに循環することで、冷房がオンになっている間は継続的に車内の冷却が可能です。

冷房と暖房とではしくみが異なる

車のエアコンの冷房と暖房では、室内の温度を変えるためのしくみが異なります。暖房で車内を温めるために使用されているものは、エアコンガスではなくエンジンから発生する熱です。

ガソリン車では、エンジンが高熱になりすぎることを防ぐためにラジエーター液が循環しています。エンジンの熱で温められたラジエーター液を使って温風を作り出すことが、車の暖房の基本的なしくみです。電気自動車の場合は、バッテリーの電気などを使って空気を温める機器が搭載されています。

エアコンの調子が悪い原因は?

車のエアコンの効きが悪い場合、エアコンガスが足りないというケースが多いです。他には機械部品の故障が原因の可能性もあります。こちらは一部の故障でも、全体の機能に影響を及ぼしてしまう可能性がありますので正しい判断が求められます。

エアコンの効きが悪いとき、動かないときの主な原因を挙げていきましょう。

エアコンガスの漏れ

エアコンガス関係

エアコンガスは本来密閉している配管の中で循環しており、簡単には減りません。エアコンガスは何年経ったら補充する、といった決まりもないため、減っている場合はどこかからガスが漏れている可能性が考えられます。

車のエアコンガスが配管から外に漏れてしまう原因はさまざまです。たとえば、車の振動によって配管のつなぎ目が広がり、ガスが漏れてしまう場合があります。また、配管に使用されているホースやリングなどのゴム製の部品が経年劣化し、亀裂やすきまができてしまうこともガス漏れの原因になります。走行中に飛び石が配管にあたって穴が開いたり、コンデンサーやエバポレーターなどの機器が損傷したりすることも、ガス漏れの原因になります。

エアコンガスの不足

エアコンガスとは、周囲の空気を冷やすためのガスを指します。エアコンガスが足りていないと、エアコンの効きが悪くなってしまいます。

ガスの残量は、ボンネットを開け、エアコンのコンプレッサーにあるサイトグラスで確認することができます(サイトグラスがない車種もあります)。コンプレッサーを動かした状態で、液体の流れや気泡が見えるかチェックしましょう。

エアコンガスの残量に応じて、サイトグラスの中に見える気泡の量が変わります。エンジンとエアコンをオンにした状態で、サイトグラスに多くの気泡が見られる場合は、エアコンガス不足です。適度な量のガスが入っていれば、気泡が時々見える状態となります。

エアコンガスの適正量は車種に応じて異なり、一般的な乗用車では300グラムから700グラム程度が目安です。サイトグラスがない車の場合や、より正確にエアコンガスの不足をチェックするためには、エアコンガスの圧力を測るための器具(マニホールドゲージ)を使う方法もあります。

コンプレッサーの故障

コンプレッサーはエアコンの心臓部分で、エンジンに取りつけられており、ファンベルトによって作動する、空気(ガス)を圧縮する機械です。正常に動いていれば、エアコン作動時にカチッと音がしますが、しなければ故障している可能性があります。

エアコンフィルターの詰まり

エアコンフィルターは、外気を車内に取り込むときに空気中のほこりや花粉などをキャッチし、きれいにするためのものです。エアコンフィルターが詰まってしまうと、空気の通り道がふさがり、エアコンから出る風が弱くなる場合があります。

エアコンフィルターの詰まりを解消する方法は、フィルターの掃除または交換です。車のエンジンを止めた上で、取扱説明書でエアコンフィルターの位置を確認し、カバーを開けると掃除や交換ができます。

エアコンの効きが悪い、動かないときの原因には、他にもファンの故障やセンサーの不具合なども挙げられます。

エアコンガスの補充方法

エアコンガスの不足によって車のエアコンの効きが悪くなっている場合、エアコンガスを補充する必要があります。まずはエアコンガスが減ってしまった原因を特定した上で、修理とエアコンガスの補充を行いましょう。エアコンガスの補充を業者に依頼する方法と、自分で補充する方法は次の通りです。

業者にお願いする場合

エアコンガスの補充の主な依頼先は、ディーラーや整備工場、カー用品店、ガソリンスタンドなどです。

ディーラーや整備工場では、エアコンガスの補充に加えて、ガス漏れ箇所の特定や修理なども依頼できます。まずは問い合わせた上で予約を取り、点検やエアコンガスの補充をしてもらいましょう。

カー用品店やガソリンスタンドでは、来店時にその場でエアコンガスの補充を依頼できる場合があります。ただし、複雑な修理や点検には対応していないことが一般的です。

自分で補充する場合

エアコンガスを自分で補充する場合、適切な種類のエアコンガスと補充用のホース、ガスの圧力を測るためのマニホールドゲージが必要です。エアコンガスは、車内のシールなどに記載されている種類と同じものを用意しましょう。

補充用のホースのバルブ側をガス缶にセットし、もう片方の側を車のエアコン配管の低圧側にセットします。ホース内の空気が混ざってしまわないように抜いた上で、ガス缶の蓋に穴を開けバルブを緩めると、エアコンガスが補充できます。

エアコンガスの補充を自分で行う際の危険性

車のメンテナンス

エアコンガスが足りないからといって、エアコンガスの補充は誰もが簡単にできるものではなく、素人が行うとケガをする危険性があるため専門家に任せたほうが無難です。車のエアコンガス補充は高圧ガスを取り扱うため、専門知識がない人が作業をすると低温やけどや失明といった、大事故が発生してしまうかもしれません。

ガスを補充したからといって抜けないとも限りませんし、ガスは多すぎても少なくてもうまく機能しません。高い技能や適切な設備がないのなら、専門業者に任せることをおすすめします。

エアコンガスの補充など、エアコン修理にかかる費用

車のエアコン修理にかかる費用相場は以下の通りです。

・ガス漏れの修理:20,000円~30,000円

・ガス補充:3,000円~5,000円

・コンプレッサーの修理:40,000円~50,000円

・エアコンフィルターの交換:3,000円~10,000円

エアコンガスの補充はそれほど費用がかかりませんが、ガス漏れやコンプレッサーの修理費用は上記のような金額になることも珍しくありません。

また、ガスが漏れている理由にはどこかに故障があることも考えられ、その場合は部品の交換が必要になります。

原因不特定で費用が割高になるリスクも

車のエアコンの修理は、想定したよりも修理費用が高くなるケースがあります。理由としては、工賃を考慮していなかったり、壊れてもいない箇所を必要以上に修理したりするからです。

また、老朽化や自然劣化は原因が特定しづらく、そこを見落として部品を換えられるケースもあります。

暖房の調子が悪い原因と対策

今回は、主に車のエアコンの冷房の不調についてお伝えしてきましたが、暖房の調子が悪い場合も簡単に解説しておきます。

車のエアコンの暖房が効かなくなってしまう主な原因は、エンジンの温度を調節するサーモスタットという機器の故障です。サーモスタットに不具合があると、エンジンの熱をエアコンで適切に使用できず、暖房の調子が悪くなる可能性があります。また、温度を感知するためのセンサーや送風ファンの故障、冷却水の水漏れなども暖房が効かなくなる原因です。

暖房の効きが悪いと感じた場合には、ディーラーや整備工場に点検と修理を依頼しましょう。修理が完了するまでの応急処置としては、シガーソケットを電源として使えるヒーターの利用や、窓ガラスに断熱フィルムを貼ることなどが挙げられます。

エアコンの効きが悪かったら点検を検討しましょう

今回は、車のエアコンの故障原因、メンテナンスやガスの補充、交換費用がいくらかかるかなどについてご紹介しました。

エアコンの冷房の調子が悪くなる主な原因は、エアコンガスの漏れや不足、コンプレッサーの故障、フィルターの詰まりなどです。また、暖房の効きが悪い場合、サーモスタットの故障や冷却水の漏れなどの原因が考えられます。

これらの不具合の中には、初心者の方による修理が難しいものもあるため、専門業者に依頼したほうが安全です。エアコンの効きが悪いと感じたら、ディーラーや整備工場などに点検と修理を依頼しましょう。

<記事NO.RC‐00113>

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