車を長期保管するときの注意点は? 劣化や税金の対策について
海外赴任などの事情があって半年あるいは1年など車を長期間使えない状況になったときは、車の保管方法について考える必要があります。ただ単に車を放置しておいておくだけでは、車の各所の劣化が進んでいくためです。劣化のスピードを抑えつつ、車を長期保管する方法や注意点について解説します。
車を長期保管するときに起こりやすいトラブル
長期間エンジンをかけず、走らせることもないままでいると、車は徐々に劣化していきます。その理由は、車はもともと日常的に動かすことを前提に作られているためです。何もせず長い間放置しておくと各所に様々な不具合が発生し、再始動しようとしても正常な機能が損なわれてしまうこともあります。数年単位で放置してしまうと、最悪の場合、修理不能な状態に陥ってしまうこともめずらしくありません。
まずトラブルが起こりやすいのがエンジンです。エンジンを完全停止して1ヶ月ほど経つとエンジンオイルがオイルパンに落ちてきます。3ヶ月が経つ頃にはエンジン内部をコーティングしていた油膜も剥がれてしまって、パーツの腐食やサビを招くようになるでしょう。エンジンオイルに水分が混じっていた場合はオイル自体の劣化も進みやすくなります。
バッテリーも放置していると自然放電していきます。1ヶ月ほどでいわゆるバッテリー上がりの状態となります。バッテリーが上がってしまうとスターターモーターを動かす電力が供給されず、エンジンを始動させることができなくなります。
エンジンやバッテリーに加え、タイヤも劣化します。空気が抜け、ゴム部分の硬化やひび割れ、変形などが起こる可能性があります。ガソリンも、空気に触れた状態だと3ヶ月程度、ガソリンタンクに入れた状態でも数ヶ月~半年ほどで劣化します。また足回りの部品やボディもサビなどによる劣化が進んでいきます。
また、車を1年以上長期保管をする場合は、まったく使用していないにもかかわらず自動車税を支払わなければならないことになります。この自動車税の支払いも、事前に対策しておけばストップすることができます。
車を長期保管するときの注意点
劣化などによるトラブルが起きるのを防ぐため、車を長期保管するときは以下のことに注意して対策しましょう。
車が劣化しないための対策を行う
まず長期保管は屋内で行うのが鉄則です。雨や風、紫外線などは車の劣化を早めてしまいます。どうしても屋外に置いておかなければならないときはカバーをかけてください。
エンジンオイルは新しいものに交換しておくのがベターです。バッテリーはターミナルを外しておくとバッテリー上がりを防げます。もっと万全を期す場合はバッテリーを車から取り外して冷暗所に保管する方法もあります。
タイヤは、車をジャッキアップして保管する場合は空気圧を低くしておくとひび割れを軽減できます。普通に停車させておく場合は、空気圧を高めにしてタイヤの変形を防ぐことを優先する方がいいでしょう。
ガソリンは満タンにしておくとある程度酸化が防げます。ガソリン劣化防止材を入れるのも効果が期待できますが、2年以上車を保管する場合は、ガソリンをすべて抜き切ってしまった方が安心です。
「一時抹消登録」の手続きを行う
1年以上、車に乗る予定がない場合は「一時抹消登録」の手続きも一つの手段です。一時抹消登録は一時的に自動車の登録を抹消する手続きのことで、これを行うことで自動車税を支払う必要がなくなります。もう一度乗るときは、再登録すればまた車を使用できるようになります。
車を長期保管する方法
長期保管しながら車のコンディションを保つには、上記のような対策を行ったとしても、定期的なメンテナンスが欠かせません。車をときどき動かすのが最も簡単ですが、一時抹消登録をしているときは公道を走れないので注意が必要です。
転勤や旅行でしばらく車に乗らないというケースでは、知り合いや友人に預けるという人もいます。ただ、その場合はあまり車のコンディション維持に神経質にならない方がいいでしょう。相手に負担を強いることになり、故障などが生じたときにトラブルに発展しかねません。
ほかには自分で保管するのではなく、長期保管サービスを利用するという方法もありますが、ある程度費用がかかります。価格は業者や保管方法、点検などのサービス内容によって異なりますが、国産車の場合で月額1万5,000~3万円程度かかるでしょう。
長期間乗らないのであれば、保管ではなく売却してしまうという選択肢もあります。長期保管に伴う劣化のリスクや手間、費用を考えれば、車が不要になった段階で一度車を売却し、必要なときに新しい車を買うというのもいい方法です。早い段階で車買取店に依頼して買い取ってもらえば、年式も浅く状態も良いので査定額にも期待できますし、売却で得たお金を次の車の資金にすることができます。
車のコンディションを維持したまま長期保管するのは、意外と簡単ではありません。長期間乗らないことが決まったら、愛車が劣化してしまわないように適切な対処をしましょう。
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