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安全に車に乗るためには、ある程度車のパーツに関する知識を持っておいたほうが良いでしょう。車には様々な部品が使われていますが、エンジンを正常に動かすために重要になるのがタイミングベルトです。タイミングベルトがどういうパーツなのかよく知らない方も少なくありません。この記事ではタイミングベルトがどういう役割を果たしているパーツなのか、交換時期や費用相場などについて詳しく解説していきます。

そもそもタイミングベルトってどんなもの?役割とは

車のエンジンは、吸気や排気、燃焼などの工程を規則的に繰り返すことで正しく動作しています。エンジン内に綺麗な空気を取り込んで燃焼させ、汚れた空気を外へ排出させることで車が正常に動くというわけです。もしこの工程が正しいタイミングで行われなかった場合、不完全燃焼を起こしてしまう恐れがあります。エンジンが正常に吸気、燃焼、排出を繰り返すためにタイミングを調整しているのがタイミングベルトです。

エンジンの内部に取り付けられているタイミングベルトは、エンジンルームを開けても直接見ることはできません。エンジンの近くにベルトを使ったパーツがいくつかありますが、それはエアコンベルトやファンベルトといったパーツでタイミングベルトではありません。タイミングベルトはエンジンを動かすための重要なパーツですので、しっかりとカバーが取り付けられています。車によって取り付けられている場所は違いますが、基本的に素人が自分で状態をチェックすることはできません。

10万キロで切れる?タイミングベルトの交換時期や費用相場について解説

車の中には、タイミングベルトではなくタイミングチェーンと言われるパーツが取り付けられているものもあります。タイミングチェーンも役割はタイミングベルトと一緒です。しかし、両者は使われている素材が違います。タイミングベルトはゴム、タイミングチェーンは金属が素材として使われています。素材によって耐久性が変わり、タイミングチェーンは基本的に交換が必要ありませんが、タイミングベルトは定期的に交換しなければなりません。

タイミングベルトが使われているかの確認方法

自分の車のエンジンにはタイミングベルトとタイミングチェーンどちらが使われているかチェックしておくと良いでしょう。

しかし、前述したように、タイミングベルトはカバーで覆われているため、目視で確認することはなかなか困難です。

目視以外に確認する方法としては、たとえば

・車検証に記載されている原動機の形式に「EF」とあればタイミングベルト、「KF」とあればタイミングチェーン

・エンジンまわりを確認して、タイミングチェーンまたはタイミングベルトのカバーが樹脂製ならタイミングベルト、金属製ならタイミングチェーン

・車のボンネットの内側に貼られたシールの記載を確認する

・車検時などの整備点検項目の記載を確認する

などが挙げられます。

ただし、全ての車に当てはまるわけではありませんので、こうした方法で見分けがつかない場合は、ディーラーや整備工場に問い合わせてみると良いでしょう。

タイミングベルトの交換時期目安

タイミングベルトはエンジンを動かすための重要なパーツなので、安全に車を使うためには破損する前に交換する必要があります。ベルト交換のタイミングは10年に1回と言われることが多いので、その前に新しい車に乗り替えてしまい今まで交換したことがないという方もいるかもしれません。しかし、10年というのは1年の平均走行距離を1万kmとした場合で、実際は年数で交換タイミングが決められているわけではありません。多くのメーカーではタイミングベルトの耐用年数を10万kmとしています。そのため、車を利用する頻度によって適切な交換タイミングは変わります。例えば、1年間に平均2万km走行する人なら5年、3万km走行する人なら3年程度が交換タイミングになります。

また、軽自動車の場合は普通自動車に比べると、タイミングベルトの劣化が進みやすいので注意してください。なぜかというと、軽自動車は排気量が少ないため、普通自動車よりもエンジンの回転数を上げてパワーを出しているからです。走行距離10万kmというのは普通自動車の交換目安で、軽自動車はそれよりも早く交換したほうが良いとされています。

もちろん車種によって適切な交換タイミングが変わりますし、乗り方次第で10万km走行する前にタイミングベルトが破損してしまうケースもあります。

タイミングベルトが寿命に近づいている前兆は?

タイミングベルトは劣化が進んでいても自分ではなかなか異常に気付くことができないパーツです。特に異音が発生するなどの前兆がなく、いきなりタイミングベルトが切れてしまうこともあります。

前項でもご説明したように、タイミングベルトの交換時期の目安は、10年または走行距離10万kmです。自分で直接タイミングベルトの状態を確認することはできないので、車の整備記録を確認し、目安となる期間や走行距離内に交換が実施されていないようなら、早めに専門家にチェックしてもらったほうが良いでしょう。中古車の場合は、整備記録が残っていないことも多いので、購入の際に、タイミングベルトの状態について販売店に確認してみてください。

タイミングベルトと同じタイミングで交換した方がいいものは?

タイミングベルトを交換する際には、同時に以下の部品も点検・交換することをおすすめします。

・ウォーターポンプ

エンジンのオーバーヒートを防ぐための冷却水を循環させるための部品です。寿命の目安がタイミングベルトと同じく走行距離10万㎞前後であるのと、ウォーターポンプを交換する際にはタイミングベルトを外す必要もあるため、同時交換が推奨されています。

・クランクシャフトやカムシャフトのオイルシール

クランクシャフトとカムシャフトはどちらもエンジンを構成する重要な部品で、タイミングベルトによって連動しています。どちらもオイルシールによってエンジンオイル漏れを防いでいますが、オイルシールが劣化し、オイルが漏れてタイミングベルトに付着すると、ベルトの作動や寿命に悪影響を及ぼします。劣化する前にタイミングベルトと一緒に交換すると良いでしょう。

タイミングベルトの交換費用はどれくらい?

タイミングベルトの交換は、一般のユーザーには難しいため、信頼できる専門業者に依頼することがおすすめです。その際の交換費用ですが、実際はいくらくらいかかるものでしょうか。費用の目安と、その理由についてみていきましょう。

一般的な交換費用の目安は?

タイミングベルトの交換費用の相場ですが、車種によっても変わってきます。軽自動車なら30000円前後、普通自動車なら60000円前後が相場です。車種や修理を依頼する業者によっても費用は変わり、高級車や輸入車など、場合によっては10万円以上の交換費用がかかってしまう場合もあります。

車種 タイミングベルト交換費用
軽自動車 約30,000円
普通自動車 約60,000円
高級車/輸入車 10万円以上

交換費用の理由

タイミングベルトを交換しようとした時、思っていた以上の金額でびっくりしたという方もいるかもしれません。タイミングベルトがそんなに高いのかと疑問に思うかもしれませんが、タイミングベルト自体は数千円程度です。

交換費用が高くなる大きな理由は、工賃にあります。

タイミングベルトの交換は、エンジンの一部を分解し、また取付けるという多くの手間と高い技術が要求される作業のため、工賃が高くなってしまうのです。

また、必要に応じて発生するその他の部品代や工賃が上乗せされることもあります。

一方、エンジンを分解しなくても交換できるタイミングベルト等であれば、相場より安く10,000円程度で済む場合もあります。

タイミングベルトの交換をしないと起きること

タイミングベルトが劣化するとエンジンに様々な影響が出てしまいます。万が一ベルトが切れるとエンジン内のバルブやピストンが破損し、エンジン自体が故障することもあります。そうなるとエンジンを積み替えなければなりません。また、適切なタイミングで交換せず放置しておくと、下取りに出した時に査定額に影響が出ます。安全に車に乗るため、リセールバリューを維持するためにも、適切なメンテナンスを行いましょう。

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