中古車の買取査定の際にチェックされるポイントとして、車体のキズなどを気にする方は多いことでしょう。一方、タイヤの状態を気にする方は意外と少ないかもしれません。

では、タイヤにひび割れや亀裂などがある場合、査定にはどの程度影響するのでしょうか。車の買取時にタイヤの状態は査定の対象となるのか、古いタイヤを査定前に交換すると買取額がアップするのかなど、車の買取査定におけるタイヤの影響についてご紹介します。

 

 

タイヤのダメージは査定に影響する

結論からいうと、タイヤのダメージは査定にある程度影響を及ぼします。では、車の買取時には、タイヤのどのようなポイントがチェックされるのでしょうか。

 

スリップサインが出ているかどうかは必ずチェックされる

車の買取査定でタイヤをチェックする際、もっとも重要視されるポイントは、タイヤの溝の残り具合です。

車の査定の際にはJAAI（日本自動車査定協会）が定めたチェック項目に沿って査定が行われています。この中に「タイヤの溝が1.6mm以上あるかどうか」という項目があるため、どの買取店へ査定を依頼しても、タイヤの溝のチェックが行われます。溝が1.6mmよりも少ない、スリップサインの出ているタイヤはマイナス査定となってしまいます。

 

ひび割れも程度が大きければマイナス査定の対象に

タイヤの残り溝と同様、ひび割れや亀裂といったクラックも査定の対象となります。とはいえ、数年ほど車に乗っていれば多少なりともクラックは出てくるものです。側面に軽くひび割れがみられる程度なら、査定への影響はほとんど心配する必要はありません。

しかし、黒々とした亀裂が長く伸びていたり、接地面にクラックがあったりするような場合は、運転が困難としてマイナス査定の対象となる可能性が高くなるでしょう。

 

状態が良ければプラスになることも

前述のJAAIのチェック基準では、タイヤの溝が5mm以上残っている場合なら、良好な状態としてプラス査定となります。新品のタイヤの溝の深さは8mmほどですので、走行距離が少なくほぼ新品に近い状態であればプラス査定も期待できるかもしれません。

 

買取査定前のタイヤ交換のメリットについて

タイヤの状態によって、買取査定結果がプラスにもマイナスにもなることが分かりました。それでは、買取査定前にタイヤ交換や点検を行った方が良いのでしょうか。

 

買取査定のためにタイヤ交換をするのはおすすめできない

いくらタイヤの状態によってはプラス査定になることがあるからといっても、「少しでも高額で買い取ってもらうために新品のタイヤに交換する」ことはあまり現実的ではありません。というのも、タイヤが査定に与える影響は、仮にマイナス査定であったとしても数千円～数万円程度のことだからです。

 

また、タイヤの査定は1本ずつ行われるため、1本のタイヤにひび割れや亀裂があったとしても、他の3本にはなければ影響はごく小さいものです。プラス査定を取るためにタイヤを交換しようとすれば、タイヤ自体の代金にプラスして交換手数料といった諸費用がかかってしまうため、差し引くと手間がかかっただけだったということにもなりかねません。

 

結論としては、買取査定額を上げるためにタイヤ交換を行うメリットはあまりないといえるでしょう。

 

運転に支障があるなら交換を

ただし、運転していてスリップしたり、運転しづらいと感じたりする状態で乗り続けるのは危険です。査定までの期間や買取店へ向かう途中で事故を起こすことがないよう、異変を感じるなら早めに交換することをおすすめします。

 

 

おわりに

タイヤのひび割れや摩耗は車の買取査定に影響しますが、査定価格を上げるためにわざわざタイヤ交換を行う必要はないといえるでしょう。タイヤが良い状態なら査定価格のアップも期待できるかもしれません。ただし、タイヤの摩耗が激しいなら、無用な事故を防ぐため新品に交換しましょう。

 

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